天塩川歴史資料館

clumn1 獣魂碑慰霊祭と各地の石碑

 今回は、天塩町も含め、日本のあちこちに点在する獣魂碑や(牛)馬頭観音碑など、動物の魂を供養するための儀礼とその信仰対象となる石碑についてのお話をご紹介します。

 耕種農業や畜産業などの第一次産業に携わる方々にはなじみ深い話かと思いますが、牛や馬は開拓時代から長い間、人々の生活には無くてはならない大切な存在でした。彼らの魂の弔いのため、建立されたのが各地の石碑です。

 現在でも天塩町では乳牛の魂を供養するための慰霊祭が行われており、今回、2025年8月6日に催された南川口の獣魂碑慰霊祭を見学・参拝する機会を頂きました。この獣魂碑は天塩町開基110年の年である平成2年に、乳牛1万5千頭、牛乳5万トン達成記念として建立されたものです。慰霊祭では住職の方が獣魂碑にお経を上げ、参拝者が順に奉拝しました。文字の史料だけでは実感できない、動物とともに紡がれた歴史の一端が感じられる貴重な体験となりました。

 仏教の馬頭観音菩薩の信仰から生まれた馬頭観音碑や牛馬頭観音碑。そして、比較的近年に造られていると予想される、直接的に動物の供養を目的とする獣魂碑。成り立ちに多少の違いはありますが、どちらも人間の生業を手助けしてくれた大事な動物たちを鎮魂するという点では、同じ想いに拠るものでしょう。

 天塩川歴史資料館では、天塩町や周辺地域の獣魂碑や牛馬頭観音の位置を地図で説明する資料や、牛馬頭観音碑を再現した展示をご覧いただけます。ご興味のある方は、ぜひご来館ください。開拓時代から今日へ連綿と続く祈りの歴史を垣間見ることができます。

上部へスクロール